DULL-COLORED POP番外公演『プルーフ／証明』

DULL-COLORED POP番外公演・サンモールスタジオ提携特別公演
『プルーフ／証明』

『プルーフ／証明』は、2000年5月にオフ・ブロードウェイで初演された後、圧倒的な観客の支持を得て、10月にはオン・ブロードウェイに進出。その後も世界各地で上演され続けている、アメリカ現代劇の最高傑作の一つと言える作品です。僕にとっては、翻訳家としてのデビュー作であり、演出家としても今回3度目の新演出となる、因縁の作品です。

──シカゴ、冬。天才数学者・ロバートが103冊のノートを遺して世を去ったところから、物語は始まります。家に引きこもり、人を寄せ付けようとしない次女キャサリンと、ロバートの研究を引き継ごうと家を訪れる青年ハル、キャサリンの身を案じる長女クレア。3人は、あるいは惹かれ合い、あるいは傷つけあいながら、やがて1冊の「証明」が書かれたノートを発見します。「数学の歴史が始まって以来、あらゆる数学者たちがずっと証明しようとしてきた」「おそらく不可能だろうと思われていた」世紀の「証明」。ロバート最後の偉業と思われるその「証明」について、キャサリンが驚愕の事実を打ち明けます。これはパパが書いたものじゃない、この「証明」は……。

これは愛の話なんだ。ただし、やさしい愛の話じゃない。毎度、上演する度に、稽古場は荒れます。ギリギリに乾き、すさんだ心を描くことで、かえって愛の形がくっきり浮かび上がってくるような、そんな作品だから。壊れてしまった愛と、崩れてしまった人間関係。そいつを描き出すために、毎回、お互いの魂を削り合うような戦いをしてきました。きっと今回も、そうなるでしょう。

数学を通じて、愛を描く。そんな、不可能だろうと思われていたことを可能にした、美しく、冷たく、愛らしい作品です。是非、この機会に劇場でご覧下さいませ。

翻訳・演出　谷賢一（DULL-COLORED POP）

公演情報

日程	2014年5月28日(水)～6月4日(水)
作	デヴィッド・オーバーン
翻訳・演出	谷賢一

出演者紹介


兵庫県出身。上京後初めて受けたオーディション、KOKAMI@network 『幽霊はここにいる』での舞台出演をきっかけに、木野花ドラマスタジオを経て、舞台を中心に活動。2008年、『マリー・ド・ブランヴィリエ侯爵夫人』で谷賢一作品に初出演、2012年、DULL-COLORED POP加入。中心メンバーとして活躍。時間堂、アマヤドリ、キコ qui-co など小劇場の気鋭の演出家からの信頼が厚く、数多く客演している。	大阪府出身。大阪芸術大学在学中に上京。2005年NHK「風のハルカ」でデビュー。翌2006年、『パウロ』で舞台デビューを果たす。テレビドラマに『牙狼〈GARO〉スペシャル白夜の魔獣』『衝撃ゴウライガン!!』、『戦国鍋 TV』など。声優としても活躍しており放送中の『ハピネスチャージプリキュア！』ではブルー役を務めている。近年の主な舞台に「ステーシーズ」「我らジャンヌ」「日付のないカレンダー」など。新番組『俺の地図帳～地理メンBOYSが行く～』にレギュラー出演する。	千葉県出身。1998年、宝塚歌劇団入団し、『エクスカリバー/シトラスの風』で初舞台。早くから実力派娘役として注目を集め2006年、『ヘイズコード』で星組娘役トップスターに就任。2009 年、宝塚歌劇団退団。退団後はミュージカルを中心に活躍。主な舞台に『天璋院篤姫』劇団EXILE『DANCE EARTH-願い-』『アンナ・カレーニナ』『ブッダ』など。『ニジンスキー』（2014年4月、天王洲銀河劇場）に出演する。今回が初の翻訳劇となる。	長野県出身。1990年、劇団青年座に入団。舞台を中心にテレビ・映画と幅広く活動している。2006年にフィリップ・ゴーリエ国際演劇学校に留学。その後、英・仏の俳優と『TIN・SOLDIER』を公演。青年座での主な舞台は『ブンナの木からおりてこい』『MOTHER』『赤シャツ』『横濱短篇ホテル』『LOVE,LOVE,LOVE』など。客演も多く、昨年は『彼の背中の小さな翼』『ショーシャンクの空に』に出演した。本年は本作品以降『UNIQUE NESS』(2014年8月、青年座劇場)、『地の乳房』（2014年10月、紀伊國屋ホール）など4作の青年座公演に出演する。