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谷賢一に対する原告・大内彩加氏による裁判(事件番号 令和ワ 第29876号)について お詫びとお知らせ

ㅤまずはじめにご心配をおかけしている多くの方々に深くお詫びします1。後述する事情から、長らく発言を法廷に限っておりました。10月28日(月)の13時30分より、東京地方裁判所にて、私本人が出廷して尋問が行われます。私の意見を率直に申し上げるつもりですので、ご関心のある方は足をお運び下さい。
ㅤ本件に関する私の主張は以下の通りです。概略ですので詳しくは裁判記録をご覧下さい。

原告は劇団入団当時から「性は世界共通の笑い」「おっぱいどうぞ」「当ててんのよ」など性的な接触を含む言動を稽古場で繰り返しており、これには複数の目撃証言が提出されている。セクハラを強要したなどという事実はない。それらも2021年には当人と謝罪も交えて話し合い、以後根絶している。
また原告により公開されているLINEは一部が恣意的に切り取られている。全体をみれば一方的なやりとりではなく、原告自身が積極的に下ネタを振っていた様子が確認できる。
レイプの訴えは、状況的・身体的にあり得ない。原告は当初、時刻や場所を詳しく述べていたが、当方はGPSログなど客観的証拠を提出し原告の矛盾を指摘した。レイプがあったと原告の主張する時間には、私は現場に到着すらしていないことがGPS記録からも明らかである2

ㅤセクシャル・ハラスメント、ならびにパワー・ハラスメントを根絶していこうという昨今の流れの中で、私自身、かつての己の振る舞いに不適切なことがあったことを率直に認め、お詫びします。「ジョークのつもりだった」「昔は当然だった」ではもはや許されないことがたくさんあります。過去のことでもきちんと反省していかなくてはと思います。
ㅤとはいえこれは、それとは全く違う話です。これは、本当は自分から身体接触をともなう交流を繰り返していた女性が、自身の問題行動が原因でキャスティングを外されたことを根に持って訴えを起こし、絶対不可能なレイプ被害を訴えている裁判です。
ㅤその訴えは私の公演のちょうど前日を狙って、SNSと関係各社への一斉連絡という形で発表されました3。SNSは大炎上し、公演は中止されました。私は強い希死念慮4を感じたため、ネットを絶ち、今も通院治療を続けています。裁判そのものへの反論とは別に、SNSを利用して公演を潰して話題にし、注目を集めるキャンセルカルチャーの手法に、大きな恐怖と怒りを感じています。

ㅤ裁判も終わりが近づいて来ましたので、これからは自分の言葉で発信をしていきたいと思います。ただし上記のような事情からSNSでの応対は当面控えさせて頂きます。取材の依頼があれば合同会社DULL-COLORED POPまでメールにてご連絡下さい。また私自身炎上に苦しみ、なぜSNS炎上がこんなに苦しいのか考え抜いた人間ですので、裁判の上では相手方とは言え、原告に対してもSNS上での過剰な攻撃や個人情報の暴露などをなさらないようお願い申し上げます。

文 谷賢一
合同会社DULL-COLORED POP

1 後述の通り心身の危険を感じ、希死念慮(自殺願望)もあったため、SNSを絶っています。炎上のショックはもちろん、某有名作家による自宅襲撃の示唆や週刊誌の張り込みなどもあって、身の安全を優先しどなたとも連絡をとらずにおりました。ただしその間も私の主張は弁護士を通じて述べており、裁判記録としてまとまっています。誰でも閲覧可能ですので、この期間の沈黙を不審に思う方はご覧になって頂ければと思います。

2 このGPS情報は私のスマホの位置情報と時間をGoogle社のサーバー上に記録したものであり、改ざんは不可能です。原告は書面の中で「終電間際の何時頃、タクシーで原告自宅へ移動し、何時にレイプがあって3時11分にそのつらさを友人へLINEし……」などと詳細に私の「犯行状況」を供述していましたが、GPSによれば私が原告宅へついたのは3:04です。この7分以内に犯行があり、シャワーを済ませて友人にLINEすることができるでしょうか。裁判にてこれらを指摘したところ原告は「記憶違いだった」として時系列をすべて修正しました。しかし5分10分の訂正ではなく数時間に渡る修正であり、「犯行後」に送ったというLINEが、やっぱり「犯行前」だったというのは、どういうことでしょうか。原告の主張するストーリー(終電はまだある時間だったが無理矢理押しかけられ……)の根幹が破綻していることは明らかです。また当時の私は精神科・心療内科に通院しており、性機能不全(勃起できない)の副作用のある向精神薬を常用していました。身体的にも性交は不可能です。

3 調べあげなければわからないような後援団体や地元の有力者にまで一斉に連絡が行っており、組織的・計画的なものを感じます。原告本人も公演を潰す意図があったことを明言しています。私を個人的に訴えることは構いません。しかし公演を巻き添えにするやり方は、一つの公演の重さやありがたさを知っている演劇人にとってあまりに耐え難いものです。私は今も中止された公演のスタッフ・キャスト全員、また数ヶ月に渡る現地取材や創作環境の整備に協力してくれた多くの方々に、心から申し訳なく、合わせる顔がありません。上演前日の中止ですから現地まで足を運んで下さっていたお客様もいたでしょう。上演できていればとても意義のある作品になったと思います。改めて心からお詫び致します。

4 希死念慮とは精神医学の用語で、簡単に言えば自殺願望です。何もしていなくても常に頭に自殺の考えがちらついてしまい、やがてそのことばかり考えるようになってしまいます。「自殺はいけない」と頭ではわかっているのに、「自殺しかない」と考えてしまう状態です。過ぎ去って見れば病んでいたと気付けるのですが、体験している最中には全くわからず、罪悪感、自責感、劣等感や申し訳なさなどが次々に押し寄せ、自殺以外にこの苦しさから救われる道がないかのように考えてしまいます(これは私の体験に基づく説明ですので、詳しくは医療機関の説明をご参照下さい)。